尿失禁

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■なぜ、尿失禁が起こるのでしょうか?
尿は膀胱に貯えられ(蓄尿)、一杯になればその刺激によって排尿されます。
その過程でさまざまな障害(蓄尿障害)が起こることによって、それがうまくできないということになります。蓄尿障害の一つは、膀胱炎です。膀胱に炎症があると、その刺激で頻尿や痛みのほかに尿失禁が生じます。二つめは、膀胱の筋肉が排尿とは関係なく勝手な収縮をする場合です。原因は、排尿を支配している脳の中枢が脳卒中などで障害されていたり、事故で脊髄(せきずい)損傷があったりする場合です。三つめは、尿を膀胱にためているときに、十分にコックが閉まらないことに原因がある場合です。この中に、女性の尿失禁で最も多い腹圧性尿失禁がふくまれます。
膀胱炎は、主に大腸菌によって引き起こされます。右図は女性の骨盤内部を簡単に示したものですが、腸に住む大腸菌が膣や膀胱に移行しやすいことが理解していただけると思います。排尿を長時間我慢したり、清潔にしていなかったりすることや、過労や性交渉などが誘因となって膀胱炎になります。炎症が起きると、その刺激で尿が近くなり、痛みがあり、尿も濁ります。残尿感もあり、血液が混じることも尿がもれることもあります。
骨盤
以上のような感染症ではなくて尿が漏れるという場合に、女性の30~45パーセントにみられる腹圧性尿失禁が最も問題になります。図でもわかりますが、膀胱や子宮は骨盤の底にある骨盤底筋群(括約筋も含まれる)で支えられています。これら全体の筋肉が年を取るにつれて衰えてくると、お腹に急に力が加わったときに尿がもれるようになります。せきやくしゃみ、運動などで尿がもれるというのは骨盤の底を支える骨盤底筋群の筋力が低下した結果、括約筋が緩んだり、膀胱の出口の位置がずれるためです。加齢、更年期、分娩、肥満、便秘などが原因と考えられます。

■腹圧性尿失禁には、弱っている骨盤底筋群の筋力を高める体操が効果的です

右図はその一部で比較的やりやすいものです。
仰向けや椅子に座ったり、机に両手を支えて立ってもいいのですが、骨盤底部に神経を集中して、余分なところに力を加えないようにします。
ここで肛門の周りの筋肉をゆっくりと強く締め付け、数秒間保持しておいて、次に緩めます。
人前でおならが出そうになった時に肛門を締める感じです。排尿を途中で止めようとするときの筋肉の使い方も同じですので、これらをまずマスターしましょう。

最初は1回3秒から増やして10秒ほど続け、休みます。これを図のようなパターンで1日50~100回ほど繰り返す。欲張らずに続けると3ヶ月ほどで効果が出るはずです。

体操


■切迫性尿失禁とは

トイレに行くまで待てないという状況で、脳疾患などで中枢や脊髄の反射機能に何らかの障害があると考えられる場合に起こります。


■尿失禁に対する治療法
尿失禁に対する薬物療法では、膀胱をゆったりさせたり、括約筋を締める薬などが使われています。手術には、尿道や膀胱けい部を引き上げて止めるというものもあります。比較的簡単な手術であり、外来でも可能です。また、括約筋が弱い場合はコラーゲンを尿道の粘膜下に注射します。意を感じたら、すぐにトイレに行き、排尿を我慢しない。


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