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前立腺肥大症

■前立腺肥大症の診断

前立腺肥大症は50歳以上の男性の5人に一人にみられます。しかし、その診断は痛みを伴うこともなく、比較的簡単に行われ、恥ずかしいことはありません。
診断でまず大切なのは自覚症状を伺う問診です。
症状は残尿感や頻尿などの前立腺肥大による刺激症状と、「尿が途切れる」、「尿の勢いが弱い」などの閉塞症状に分けられます。
症状を点数化したのが下記に示した”国際前立腺症状スコア”で、8点以上あれば治療が必要と言われています。 しかし、症状があっても神経因性膀胱などの他の疾患であることもあります。
つぎに、医師がお尻から指を入れて前立腺を触る”直腸診”が必要です。
正常の前立腺の大きさはクルミ位の大きさで、直腸診である程度の形状がわかります。しかし、直腸診では前立腺の後面のみを触っているので、全体像をみるには”超音波検査”が必要です。
前立腺全体の形態、重量(正常は約20グラム)までわかり、ときには前立腺がんの所見がみられることがあります。
大切なことは前立腺がんとの鑑別のため”前立腺特異抗原”(PSA)の約3ccの血液検査を行うことです。直腸診や超音波検査で問題なくてもPSAが高いことから前立腺針生検を行い、がんが発見されることがあるからです。
その他、尿の検査、尿の勢いをみる尿流検査、また必要があれば尿路造影を行うことがあります。

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■前立腺肥大症の保存的治療

前立腺肥大症は男性の国民病とまでいわれ、最近多くなっている疾患です。
「トイレが近い」、「残尿感」、「間に合わず尿をもらす」、「尿が途切れる」、「尿の勢いが弱い」などの症状を中高年の方でしたら、一度は経験しているでしょう。
前立腺肥大症は直腸診、超音波検査などで診断されます。そして、その治療方法は自覚症状の程度や前立腺の大きさ、残尿量によりいろいろとあります。各治療法には長所、短所がありますので、医師と十分相談して選択することが大切です。
治療方法には大きく分けて、経過観察と薬物治療の保存的治療、そして手術療法があります。
今回は保存的治療について述べます。
症状が軽度の場合は、以下の日常生活の注意点を守るだけで改善することがあります。
すなわち、アルコールや強い香辛料はさける、尿を我慢しないですぐトイレへ行く、体を冷さない、長時間座るのをさける、便秘に気をつけることです。
また、抗ヒスタミン剤などのかぜ薬等で膀胱の収縮を弱める作用を持つものがありますので、現在服用されている薬をチェックすることも大切です。そして、どのような疾患にも言えることですが規則正しい食事と睡眠、そして適度な運動をすることが大切です。
薬物療法のうち、アルファー交感神経遮断剤は速効性があり、最も多く使用されています。
この薬は膀胱の出口から前立腺部尿道にあるアルファー交感神経受容体を遮断することによって平滑筋の緊張をゆるめ、尿の出を良くします。
その他、抗アンドロゲン剤があり、男性ホルモンを抑えることにより数ヶ月で前立腺を小さくします。しかし、服用を止めるとまた大きくなり、副作用として勃起障害が出ることがありますので、注意を要します。
その他、漢方製剤、植物エキス製剤は 副作用はほとんどありませんが、効果が表れるには時間がかかります。なお、アルファー交感神経 遮断剤と他の薬を併用することもあります。
薬で効果がない場合や、残尿がかなり認められる場合などは、手術が必要になります。

■当クリニックにて評判の、尿道ステント治療法

形状記憶効果を有するニッケルチタン合金で出来た特殊編み上げ構造のメモサームを、局所麻酔下で内視鏡で観察しながら、安全・正確に短時間で前立腺部尿道の狭窄しているところに留置します。
留置後すぐに狭窄部を押し広げ、麻酔が解ければ排尿が可能になります。 特長として、短時間で効果が発揮され、術後に尿道ステントを取り替える必要が無いことがあげられます。
当クリニックでは約20分で完了する簡単な手術です。

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■前立腺肥大症の手術療法

前立腺肥大症の患者さんで症状が重い場合、薬物療法では完全に治ることはできません。
残尿がかなり認められる場合、残尿のため膀胱炎をくり返す場合、膀胱結石がある場合、腎臓の機能が低下している時などは手術が必要となります。
手術として最も一般的に行われているのが、尿道から内視鏡を入れて電気メスで前立腺を取り除く「経尿道的前立腺切除術」です。この手術で、尿道を圧迫している肥大した前立腺がなくなるので、劇的に尿の出が良くなります。泌尿器科医の間で前立腺肥大症の治療法の”Gold Standard”として高く評価されています。
治療効果は一番ありますが、残念ながら手術を受けた方が全員良くなるわけではありません。
合併症として出血や穿孔、尿失禁、尿道狭窄、精液が膀胱へ逆流する逆行性射精が出ることがありますので、良く理解された上で手術を選ぶべきでしょう。注意として、心筋梗塞や脳梗塞で抗凝固剤を服用されている方は、手術の時に出血量が多くなるので、数日前から薬を止める必要があります。
なお、切除した前立腺を病理組織学的に診断できますので、たまたま前立腺がんが見つかることもあります。「経尿道的前立電気蒸散術」は切除手術と同様に行う新しい手術方式です。
電気メスが厚型の切除ループになっており、高い電流にて前立腺組織を蒸散凝固する方法で、切除手術に比べて出血量が少ないです。
また、レーザーを用いた手術も行われています。レーザー治療は尿道から内視鏡を入れ、内視鏡の先端からレーザーを照射して、肥大した組織を焼き切る方法です。
この手術は出血などの合併症が少なく、患者さんの負担が低いのですが、切除手術に比べて効果は劣ります。
当クリニックでは入院施設がないため、手術に対応して頂ける病院を市内、地方に関係なくご紹介しています。

前立腺炎症

■前立腺炎の特徴

前立腺の疾患のなかで、前立腺肥大症や前立腺がんとともに最近注目されているのが前立腺炎です。
男性の約半数は、生涯に一度は前立腺炎になると言われています。アメリカでは前立腺炎の患者数は前立腺肥大症や前立腺がんより多く、また、その症状も排尿障害や痛み、不快感が出るので、”生活の質”に多大な影響を与えます。
そこで、前立腺炎を体系化するためアメリカから1995年に新しい病型分類が提唱され、昨年は症状の問診表も発表されました。
前立腺炎は前立腺に細菌などが入り込み炎症をひき起こし、様々な症状が出る疾患です。好発年齢は、50歳以上にみられる前立腺肥大症に比べて20歳から40歳代と、比較的若い男性に起こるのが特徴です。
前立腺炎の症状は「残尿感」、「尿が近い」、「尿が出にくい」、「尿の切れが悪い」、「下腹部やソ径部、会陰部の不快感や痛み」、さらに精液に血が混じる「血精液症」もみられる事があり、多種多様であります。急性細菌性前立腺炎の場合は高熱や全身倦怠感がみられ、入院が必要なこともあります。前立腺炎の診断は、医師が症状をチェックし、肛門から指を入れて前立腺を触る”直腸診”で行われます。そして、前立腺をマッサージして、前立腺分泌液を得て、顕微鏡にて白血球があれば前立腺炎と診断されます。
前立腺炎の原因は、細菌が尿道や血液に入り、感染する細菌性のもの、それ以外の非細菌性のものがあります。_非細菌性のものとして、性感染症のなかでも最も多い、クラミジアトラコマチスが原因になることもあると言われています。しかし、ほとんどが、原因不明であります。
日常生活の注意点として、アルコールを避ける、車の運転などで長時間座るのを避ける、 仕事などの身体的・精神的ストレスを避ける、体を冷さないことです。そして、どのような疾患にも言えることですが規則正しい生活、適度な運動をすることをお勧め致します。

前立腺がん

■急増している前立腺がん

前立腺がんはアメリカで最も多いがんで、男性のがんの発生率で第一位、死亡率では肺がんに次いで第二位を占めています。
日本でも年々増加しており、その増加率は全てのがんの中で最も高いのです。_前立腺がんの発生には老化による性ホルモンのバランスのくずれや欧米化した食生活をはじめとする環境因子が大きな要因となっています。
発生する年齢は五十歳代から増えはじめ、最も多いのが七十歳前後で、中高年を襲う特徴的ながんです。そのため、泌尿器科やがん関係の学会や雑誌では前立腺がんが常にトピックスになっています。
前立腺がんは病状の進行に伴って排尿困難や頻尿などの症状が出ることがありますが、初期の段階ではほとんど自覚症状はありません。症状を訴えて病院を受診して、がんが見つかったときには、すでに進行がんであることが少なくありません。
前立腺がんの特徴として骨に転移しやすい性質がありますので、腰が痛く整形外科を受診された方が、前立腺がんの骨への転移と診断されることもあります。
前立腺肥大症の発生部位は主に尿道をとりかこむ移行領域からできるため、肥大してくると尿道を圧迫して排尿困難などの症状が出やすい傾向にあります。
一方、前立腺がんは前立腺の外側の辺縁領域から発生するので症状が現れにくいのです。
発生部位からもわかるように前立腺肥大症と前立腺がんが合併することはありますが、前立腺肥大症が”がん化”することはありません。
前立腺がんの特徴として、他のがんに比べて進行が非常に遅く、発がんしてから臨床がんになるまで数十年かかると推定されています。
すなわち、青壮年期にがん細胞が発生し、二十~三十年経って微少がんとなり、その後、数年以上経って臨床がんに成長するといわれています。
幸い治療方法は各進行度により確立されています。それでも早期発見、早期治療が重要なのはいうまでもありません。

■前立腺がんの診断方法

急増している前立腺がんの診断は案外、簡単に、そして短時間でできます。診断方法には、腫瘍マーカーの血液検査、直腸診、超音波検査の三つがあります。いずれかの検査でがんの疑いがあれば、前立腺針生検を行って、確定診断をすることになります。
腫瘍マーカーとは、がんがあると血液や尿に放出される特殊な物質のことです。前立腺がんの腫瘍マーカーとして、前立腺特異抗原(PSA)が用いられています。がんが小さいときには直腸診や超音波検査で発見するのが難しいので、PSAの血液検査が最も有効です。
約3ccの血液を採取し、結果は数日以内で判明します。PSAの値が高ければ前立腺がんが疑われますが、前立腺肥大症や前立腺炎でも高くなることがあります。
前立腺がんの初期の段階では自覚症状はありませんので、五十歳以上の男性の方は一度 PSAの血液検査を受けることをお勧め致します。
直腸診は医師が肛門に指を入れて直腸壁からの前立腺の大きさや硬さ、圧痛などを調べる検査です。前立腺がんの場合には石の様に硬く、表面が不整などの所見があります。
超音波検査は前立腺の断面を画面に映し出す検査をします。
前立腺がんでは、前立腺の形状がいびつになったり、内部が黒く見えたり、前立腺の各領域の境界がはっきり映し出されず、ボヤけた感じに見えます。超音波検査はがんが小さい場合には発見できませんが、直腸診ではわからない腹膜側の病変を見つけることができます。
これらの三つの検査で異常があれば、前立腺針生検を行い病理組織学的に検査をして確定診断をします。  直腸から針を入れて前立腺組織を採取する方法と会陰から採る方法があります。外来で検査を行っている施設もあり、簡単にできます。
万が一、前立腺がんと確定診断された場合、骨盤部のCTと骨に転移がないかを「骨シンチグラフィー」で調べ、がんの病期分類をして本格的な治療に入っていきます。

■前立腺がんの最近の治療法

最近、前立腺特異抗原(PSA)が高く、前立腺針生検にて前立腺がんと診断される方が多くなっています。治療にあたっては、がんの進行度、がん細胞の悪性度、年齢や全身状態などを考えあわせ方針が決められます。
一番大切なことは患者さんが各治療の内容を把握して、 十分納得した上で治療を受けられることです。

1.手術療法
早期がんでは前立腺を全部摘出する「前立腺全摘術」が有効です。方法は前立腺とともに前立腺部の尿道、精のうを切除し、膀胱と尿道を寄せて縫い合わせます。しかし、患者さんの身体的負担が大きいため、七十歳ぐらいまでの方を対象としています。
最近では、開腹せずに腹腔鏡を用いて摘出することができ、出血量が少なく、術後の回復がかなり早くなりました。なお、手術の際、尿道括約筋を傷めることがあるため術後の尿失禁や、神経を損傷して勃起障害の後遺症が出ることもあります。

2.放射線療法
放射線を前立腺に照射することで、がんを死滅させる治療法です。侵襲が少ないので高齢の方にも行えます。
しかし、放射線により正常な細胞まで障害され、血尿や排尿痛、血便、倦怠感、尿失禁、勃起障害などの後遺症が出ることがありますが、治療が終われば徐々に回復します。

3.内分泌(ホルモン)療法
前立腺がんの70~80パーセントは男性ホルモンに依存しているため、その作用を妨げることで、がんを死滅させる治療法です。おもに進行がんが対象で、手術療法や放射線療法と併用することもあります。
内分泌療法として男性ホルモンを分泌している精巣を取り除く精巣摘出手術、男性ホルモンの分泌を抑えるLH-RHアナログ剤の月に一度の注射、抗男性ホルモン剤や女性ホルモン剤の薬があります。

4.化学療法
抗がん剤による治療法で、進行がんや内分泌療法で効果がない方に行います。しかし、副作用が強く、効果は他の治療にくらべてあまり期待できません。

性感染症(STI)

■男子尿道炎とは・・性感染症のひとつです

男子尿道炎はセックスなどで病原微生物が尿道に入り引き起こされる性感染症です。 病原微生物としてはクラミジアと淋菌が多く、これらは性器以外の口腔や直腸などにも感染します。 クラミジアは、精巣上体炎(副睾丸炎)や時に前立腺炎の原因になることもあります。
病原微生物
クラミジア・トリコマティス 淋菌 マイコプラズマなど

■クラミジア感染症とは?

クラミジアはウイルスによく似た性質を持つ非常に小さな細菌で、人の細胞に入り込み、形を変えながら増殖して感染症を引き起こします。
クラミジアに感染して起こる病気には、トラコーマ(結膜炎)やオウム病(クラミジア肺炎)、尿道炎や子宮頸管炎などがあります。これらのうち尿道炎、子宮頸管炎は、性行為によって感染する性感染症で、現在日本で淋菌感染症を抜いて最も多い性感染症となっています。症状は非常に軽く、男性は少量の分泌物や排尿時の不快感などです。
また女性の場合は少量のおりものがある程度なので、気がつかない人がほとんどです。そのため感染しているのにもかかわらずそのまま過ごし、妻や夫、恋人などに移してしまい、一般社会に広がってしまいます。感染したままで放っておくと感染が腹部などに広がって腹膜炎を起こしたり、不妊の原因ともなる卵管炎や副睾丸炎をひきおこすことがあります。
簡単に検査できますので、気になる方は医師にご相談ください。

■感染経路は?

セックスなどにより尿道から病原微生物(クラミジア、淋菌など)が入り感染を引き起こします。
最近では、オーラルセックスによる咽頭炎、アナルセックスによる肛門直腸炎も問題となっています。

■症状(男子尿道炎)・・こんな症状はありませんか?

次の症状を見逃さないことが大切です。
<クラミジアによる尿道炎>
尿道に違和感がある。(痛みはないことが多い)
透明な分泌物が出ることがある。
(ただし、約半数の人では症状がない。 感染から症状が出るまでの期間は1~3週間である。)
<淋菌による尿道炎>
排尿時に尿道に焼けるような感じや痛みがある。
膿状(うみ)のような分泌物が出ることがある。
(感染から症状が出るまでの期間は3~7日である。)

■検査と治療(男子尿道炎)・・検査も治療も簡単です。

検査・・痛みは伴いません。 尿や尿道口からの分泌物の検査を行います。
治療・・抗菌薬の服用により治ります。 クラミジアは約2週間、淋菌は約3日間で治ります。
大切なことはパートナーの方の治療もいっしょに行うことです。

■ご存じですか?

クラミジア感染症の治療にはクラミジアを殺したり、増殖を抑えたりする薬を使います。
クラミジアは ヒトの細胞に寄生して形を変えて増えますので、それに応じて治療するために、医師の指示に従って14日間程度の服用が必要となります。さらにパートナー同士で感染を繰り返すピンポン感染を防ぐために、必ずパートナーの検査・治療も必要です。
またクラミジアが消失せずに残っていて再発する可能性がありますので、治療終了後医師の指示に従って再度受診し、完治の確認をすることも大切です。
淋菌に感染している人の3~5人に1人はクラミジアにも感染しているという報告がありますので、もしも淋菌感染症と診断を受けた場合はクラミジアの感染の有無もあわせて、検査結果を確認しましょう。

■症状(男子尿道炎)・・こんな症状はありませんか?

治療中のセックスは避けてください。
症状が軽くなったり、無くなったからといって服薬を中止したり、受診を途中でやめないでください。
異常を感じたら男性が積極的に診察を受け、パートナーとともに治療しましょう。
感染の予防にはコンドームを使いましょう。

クラミジア感染症は治療さえすれば治る病気です。もしも感染してしまったらパートナーとよく話し合って一緒に治療することが大切です。

勃起不全(ED)

■ED(勃起不全)とは

ED(勃起不全)とは、有効な勃起が得られず、また維持できないために、満足な性交が行えない状態をいいます。
従来、「インポテンス(性的不能)」という言葉で表現されてきましたが、「勃起障害」あるいは「勃起不全」を意味するED(Erectile Dysfunction)という言葉がより適切な表現であるとし、一般的になり つつあります。
ED(勃起不全)の患者さんは、日本では約900万人以上、米国では約3,000万人以上と推計されています。

■勃起のメカニズム

陰茎の中には、たくさんの神経と血管が集まっています。
性的刺激により興奮すると、海綿体に血液が流入・充満し、勃起します。
<海綿体へ血液が流入する仕組み>
陰茎へ血液を供給している動脈は4本ありますが、このうち勃起に最も重要な役割を果たすのは陰茎深動脈です。男の人が性的に興奮したときには、勃起をつかさどる神経は血液流入のバルブ(ラセン動脈と言われる)をゆるめ、同時に海綿体そのものもゆるむことで、血液が陰茎深動脈から海綿体にたくさん流れ込むように指示を出します。
<海綿体の仕組み>
陰茎には左右一対となった海綿体があり、これらはそれぞれ白く分厚い強靱な膜である白膜に包まれています。血液が海綿体に流入・充満することにより勃起が引き起こされます。勃起した時は、白膜の中で海綿体が血液に充満によりパンパンにふくれあがり、白膜から外に出て行く静脈は締め付けられ、海綿体から流出する血液量は非常に少なくなります。この状態が保たれることにより、完全勃起の状態になります。勃起の程度は、海綿体に入る血液の量と圧力によって決まります。

■ED(勃起不全)の原因

ED(勃起不全)の分類は、その原因により大きく3つにわかれます。
医師に相談して原因について知ることが治療の早道です。
<機能性勃起不全>
心因性勃起不全(緊張やセックスの失敗に対する恐れなど)
精神病性勃起不全
その他
<器質性勃起不全>
陰茎性勃起不全(陰茎に問題がある場合)
神経性勃起不全(脳から陰茎までの神経に問題がある場合)
血管性勃起不全(陰茎の血管に問題がある場合)
内分泌性勃起不全(ホルモンに問題がある場合)
その他
<混合性勃起不全>
機能性勃起不全と器質性勃起不全の原因が混在するもの
(原因となる疾患には、糖尿病、心臓病、腎不全などがあります。また、外傷、骨盤内手術やその他外科手術なども原因となることがあります。)

■ED(勃起不全)の主な治療方法

医師は、様々な治療方法の中から患者さんに適した治療方法を選択し治療します。 以下に、「クエン酸シルデナフィル」の他、AUA(米国泌尿器科学会)が「器質性勃起不全の治療ガイドライン」の中で効果のある治療方法として勧告している、3つの治療方法「陰圧式陰茎勃起補助具(EVD)、陰茎海綿体内注射、陰茎プロステーシス」と日本で古くから効果があると言われてきた「漢方薬」について説明します。

<クエン酸シルデナフィル(商品名:バイアグラ)>
性的刺激により興奮すると、勃起をつかさどる神経から一酸化窒素(NO)と呼ばれる伝達物質が放出されます。これが、陰茎の勃起に非常に重要な役割を果たしています。
NOは、生体内に広く分布する血管拡張因子であり、サイクリックGMP(cGMP)という物質を介して血管を拡張させる働きがあります。したがって、陰茎海綿体内では、NOが生産されると陰茎海綿体平滑筋を弛緩して海綿体内への血液の流入量を増大させて陰茎を膨張させます。性的刺激とNOの放出に始まる、この一連の働きにより陰茎が勃起します。
また、陰茎海綿体内には、cGMPを分解してしまうホスホジエステラーゼタイプ5(PDE5)という酵素が存在します。このPDE5はcGMPを分解して、活性がないGMPにします。クエン酸シルデナフィルは、この陰茎海綿体内のPDF5を選択的に阻害することで、cGMPの濃度を上昇させて陰茎海綿体平滑筋の弛緩反応を増強し、陰茎の勃起を促させる薬剤です。 クエン酸シルデナフィルは特に狭心症などに使われるニトログリセリン(内服、舌下錠、バップ剤)を使用している場合には、服用できません。

<漢方薬>
勃起不全の患者さんに漢方薬が使われることがあります。勃起障害は漢方でいう「陰萎」(いんい)という状態にあてはまると考えられており、加齢などにより身体の働きが弱ったり、心を使いすぎて疲れがたまったりする事により「陰萎」になってしまうとされています。それを補っていこうというのが漢方の基本的な考え方です。
漢方では、患者さんの「証」(しょう)に合わせて、最も適した薬が使われます。「証」とは患者さんの「体質・症状」をあらわす言葉で、同じ病気でも違った薬が処方されることがあります。
勃起不全の患者さんに使われる漢方薬をまとめますと、以下の表のようになります。

体質 ED(勃起不全)の他に随伴する症状 使用する漢方薬
強 体格は肥満しあるいは筋骨たくましくて精力旺盛 のようにみえるが、ED(勃起不全)で悩んでいるもの 大柴胡湯
(だいさいことう)
中 神経過敏で不眠、動悸、くよくよなどするもの 柴胡加竜骨牡蛎湯
(さいこかりゅうこつぼれいとう)
老人で下半身の脱力倦怠感のあるもの 八味地黄丸
(はちみじおうがん)
弱 体力が弱く、疲れやすく、神経過敏のもの 補中益気湯
(ほちゅうえつきとう)
または
桂枝加竜骨牡蛎湯
(けいしかりゅうこつぼれいとう)
※ 日本医師会雑誌より抜粋(一部改変)

現在、漢方薬は医療用漢方製剤として様々な医療機関でも用いられております。
漢方薬は複数の生薬を組み合わせて一つの処方として用いられており、「証」にあった漢方薬を服用することで効果が一層高まると考えられています。
また、漢方薬にも副作用があるので、医師の指示どおりに服用することが大切です。

<陰圧式陰茎勃起補助具(EVD)>
最近、日本で医療用具として認可された陰圧式陰茎勃起補助具(EVD)は、陰茎を陰圧にすることで陰茎海綿体内に血液を流入させ、勃起後は、陰茎の根元をリングで締め付けることにより、陰茎の勃起状態を維持するというものです。この用具は、ゲッティング・オズボーン氏が、自分の勃起不全を治療するために開発した用具が起源となっています。安全性が高く効果的であることから、 AUA(米国泌尿器科学会)が「器質性勃起不全の治療ガイドライン」の中で勧告している3つの治療方法の一つにまでなっています。

<陰茎海綿体内注射>
陰茎海綿体を広げて勃起させる薬剤(塩酸パパベリン、PGE1、フェントラミンなど)を陰茎に注射します。特にPGE1は比較的副作用が少ないこともあり、多く使用されています。米国では、「クエン酸シルデナフィル」の登場までは第一選択の治療方法でした。
この治療方法は効果も高く、確実に勃起することが特徴ですが、セックスの直前に注射しなければならないことが欠点です。日本では自己注射が認められていないことから、ほとんど行われていないのが現状です。

<陰茎プロステーシス>
陰茎プロステーシスは、陰茎海綿体内に棒(プロステーシス)をさしこみ、性交を可能にさせる方法です。現在、日本で使えるプロステーシスは3種類あり、よりよいプロステーシスの登場で満足度があがっているとのことです。手術を行う患者さんは、「パートナーのための手術である」ということを 充分に理解されているようです。ただし、この治療方法は、プロステーシス挿入後は確実に性交が可能となりますが、海綿体を破壊することや陰茎が冷たい等、違和感を訴える患者さんもいるようです。


以前はあきらめていた勃起不全も、現代医学の進歩により、様々な治療方法が開発されており、決してあきらめる必要のない病気となりました。ひとりで悩んでばかりいないで、まずは専門医の先生に相談してみて下さい。あなたに合った治療方法が見つかるはずです。

尿失禁

■なぜ、尿失禁が起こるのでしょうか?

尿は膀胱に貯えられ(蓄尿)、一杯になればその刺激によって排尿されます。
その過程でさまざまな障害(蓄尿障害)が起こることによって、それがうまくできないということになります。蓄尿障害の一つは、膀胱炎です。膀胱に炎症があると、その刺激で頻尿や痛みのほかに尿失禁が生じます。二つめは、膀胱の筋肉が排尿とは関係なく勝手な収縮をする場合です。原因は、排尿を支配している脳の中枢が脳卒中などで障害されていたり、事故で脊髄(せきずい)損傷があったりする場合です。三つめは、尿を膀胱にためているときに、十分にコックが閉まらないことに原因がある場合です。この中に、女性の尿失禁で最も多い腹圧性尿失禁がふくまれます。
膀胱炎は、主に大腸菌によって引き起こされます。右図は女性の骨盤内部を簡単に示したものですが、腸に住む大腸菌が膣や膀胱に移行しやすいことが理解していただけると思います。排尿を長時間我慢したり、清潔にしていなかったりすることや、過労や性交渉などが誘因となって膀胱炎になります。炎症が起きると、その刺激で尿が近くなり、痛みがあり、尿も濁ります。残尿感もあり、血液が混じることも尿がもれることもあります。
骨盤
以上のような感染症ではなくて尿が漏れるという場合に、女性の30~45パーセントにみられる腹圧性尿失禁が最も問題になります。図でもわかりますが、膀胱や子宮は骨盤の底にある骨盤底筋群(括約筋も含まれる)で支えられています。これら全体の筋肉が年を取るにつれて衰えてくると、お腹に急に力が加わったときに尿がもれるようになります。せきやくしゃみ、運動などで尿がもれるというのは骨盤の底を支える骨盤底筋群の筋力が低下した結果、括約筋が緩んだり、膀胱の出口の位置がずれるためです。加齢、更年期、分娩、肥満、便秘などが原因と考えられます。

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■腹圧性尿失禁には、弱っている骨盤底筋群の筋力を高める体操が効果的です

右図はその一部で比較的やりやすいものです。
仰向けや椅子に座ったり、机に両手を支えて立ってもいいのですが、骨盤底部に神経を集中して、余分なところに力を加えないようにします。
ここで肛門の周りの筋肉をゆっくりと強く締め付け、数秒間保持しておいて、次に緩めます。
人前でおならが出そうになった時に肛門を締める感じです。排尿を途中で止めようとするときの筋肉の使い方も同じですので、これらをまずマスターしましょう。

最初は1回3秒から増やして10秒ほど続け、休みます。これを図のようなパターンで1日50~100回ほど繰り返す。欲張らずに続けると3ヶ月ほどで効果が出るはずです。

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■切迫性尿失禁とは

トイレに行くまで待てないという状況で、脳疾患などで中枢や脊髄の反射機能に何らかの障害があると考えられる場合に起こります。

■尿失禁に対する治療法

尿失禁に対する薬物療法では、膀胱をゆったりさせたり、括約筋を締める薬などが使われています。手術には、尿道や膀胱けい部を引き上げて止めるというものもあります。比較的簡単な手術であり、外来でも可能です。また、括約筋が弱い場合はコラーゲンを尿道の粘膜下に注射します。意を感じたら、すぐにトイレに行き、排尿を我慢しない。

男子尿道炎

■尿道炎とは・・・性感染症のひとつです。

男子尿道炎はセックスなどで病原微生物が尿道に入り引き起される性感染症です。
病原微生物としては淋菌とクラミジアが多く、これらは性器以外の口腔や直腸などにも感染します。
クラミジアは、精巣上体炎(副睾丸炎)や時に前立腺炎の原因になることもあります。

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■感染経路

セックスなどにより尿道から病原微生物(淋菌、クラミジアなど)が入り感染を引き起こします。最近では、オーラルセックスによる咽頭炎、アナルセックスによる肛門直腸炎も問題となっています。
※最近では、性行動の多様化などにより、オーラルセックス(口腔性交)が性行為における普通の行為として定着してきました。よって咽頭感染を認める割合が増加しているので注意が必要です。

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■症状・・・こんな症状はありませんか?

次の症状を見逃さないことが大切です。
<淋菌による尿道炎>
1.排尿時に尿道に焼けるような感じや痛みがある。
2.膿状(うみ)のような分泌物が出ることがある。
(感染から症状が出るまでの期間は3〜7日である)
<クラミジアによる尿道炎>
1.尿道に違和感がある。(痛みはない事が多い)
2.透明な分泌物が出ることがある。
(ただし、約半数の人では症状がない。感染から症状が出るまでの期間は1〜3週間である。)

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■尿道炎とは・・・性感染症のひとつです。

●検査・・・痛みは伴いません。
尿や尿道口からの分泌物の検査を行います。
●治療・・・薬で治ります。
淋菌感染症は通常、1回の注射投薬で治ります。クラミジア感染症は経口薬の服用により約1週間で治ります。
咽頭感染が認められた場合、淋菌に対しては一部の注射薬投与、クラミジアに対しては経口抗菌薬を通常より長く服用する必要があります。
大切なことはパートナーの方の治療もいっしょに行うことです。

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■日常生活の留意点

●治療中のセックスは避けてください。
●症状が軽くなったり、無くなったからといって服薬を中止したり、受診を途中でやめないでください。
●異常を感じたら男性が積極的に診察を受け、パートナーとともに治療しましょう。
●感染の予防にはコンドームを使いましょう。

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